2024/06/01 00:00
今回は、二十四節気の「芒種」について、名前の由来や日本の季節感、この頃の体調や漢方のお話を詳しくご紹介します。漢方に興味のある方にも納得して満足いただけるような内容を目指しています。
芒種とは?
芒種は、毎年6月6日〜6月20日頃までの期間を指します。麦の種を蒔き、田植えの準備も始まる時期です。日差しはますます強くなり、気温や湿度も上昇します。梅雨入り前の貴重な晴天が続く時期です。
芒種の名前の由来
「芒種」は、麦の穂が芒(ぼう)と呼ばれる長い針のような突起を出し始める頃という意味です。芒は麦の成熟の証であり、この頃から本格的な夏の到来を感じられるようになります。
芒種の日本の季節感
芒種は、初夏から梅雨入り前の時期です。日中は暑くても、朝晩は涼しく、過ごしやすい季節です。田畑では麦や稲を植え、緑が目に鮮やかになります。また、紫陽花やアジサイなどの花が咲き始め、初夏の風景を彩ります。
芒種の体調
芒種は、暑さと湿度の高さが増す時期です。そのため、体調を崩しやすい人もいます。
芒種の頃によく見られる体調不良としては、以下のようなものがあります。
- 風邪
- 咳
- 喉の痛み
- 肌荒れ
- 胃腸の不調
- 倦怠感
- ストレス
これらの体調不良は、暑さや湿度の高さによる体の疲労、夏バテ、ストレスなどによって引き起こされます。
芒種の漢方
芒種の体調不良を予防・改善するためには、以下のことに注意するとよいでしょう。
- 十分な睡眠をとる。
- 栄養バランスの良い食事を摂る。
- 水分をこまめに補給する。
- 適度な運動をする。
- ストレスを溜めないようにする。
また、漢方薬を活用するのも一つの方法です。漢方薬には、体調不良の原因となる「邪気」を排除したり、体調を整えたりする働きがあります。
芒種の頃によく見られる体調不良には、以下の漢方薬がよく用いられます。
- 風邪:葛根湯、麻黄湯、小柴胡湯
- 咳:麦門冬湯、陳皮茯苓湯、杏仁咳止め湯
- 喉の痛み:金銀花喉嚨散、桔梗湯
- 肌荒れ:当帰芍薬散、荊芥連翹湯、四物湯
- 胃腸の不調:五苓散、六君子湯、人参湯
- 倦怠感:黄耆建中湯、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散
- ストレス:加味逍遥散、柴胡加竜骨牡蛎湯、酸棗仁湯
漢方薬は、自分の体調や症状に合わせて、薬剤師に相談して選ぶことをおすすめします。
芒種の養生
芒種は、心身の充実を図る時期です。以下に、芒種の養生法をご紹介します。
- 軽い運動をする。
- 緑黄色野菜や旬の果物を食べる。
- 十分な睡眠をとる。
- ストレスを溜めないようにする。
- アロマテラピーやヨガなど、リラックスできる方法を取り入れる。
これらの養生法を実践して、健やかに過ごしましょう。
漢方から学ぶ芒種
芒種は、陰陽五行思想でいう「陽気」がピークを迎える時期です。陽気は、活動や成長を表すエネルギーです。そのため、芒種は、積極的に活動し、夢や目標に向かって努力するのに適した時期と言えます。また、芒種は、五行思想でいう「土」の季節でもあります。土は、安定や信頼を表す象徴です。そのため、芒種は、自分の心と体を安定させ、土台を築くのに適した時期と言えます。
芒種は、麦の穂が実る実り豊かな季節です。暑さや湿度に注意し、体調管理をしっかりと行いましょう。漢方薬は、芒種の体調不良を予防・改善するのに役立ちます。自分の体調や症状に合わせて、薬剤師に相談して選ぶことをおすすめします。